「ある都道府県労働局が、勤務中に長時間の待機を求められ心筋梗塞で死亡した男性運転手について、労災を認めなかった労働基準監督署の決定を取り消し、逆転認定したことが分かった」という報道がありました。
先月26日に、NPO法人である労災職業病センターが記者会見を行ったことにより明らかになったようです。
労働基準監督署は、男性の残業について、基準となる過労死ライン(単月100時間など)は下回ると判断し、労災と認定しなかったのですが、これを不服とした遺族が審査請求。都道府県労働局は、これを受けて再検証し、労働基準監督署が残業と認定しなかった待機時間を残業と認め、1カ月間に過労死ラインを上回る133時間程度の残業があったと判断。労働基準監督署の決定を取り消し、労災認定したとのことです。
具体的な状況にもよりますが、待機時間も 、 使用者の指揮命令下に置かれていると評価される場合には労働時間として取り扱うこととされています。
「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(厚労省)」においても、“労働時間として取り扱わなければならない”ものとして、次の時間を取り上げています。
・使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機等している時間(いわゆる「手待時間」)
各企業においても、待機時間等の手待時間の取り扱いには注意が必要ですね。
確認までに、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を紹介しておきます。
<労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン>
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/151106-04.pdf