この調査(「短観」)は、全国の企業動向を的確に把握し、金融政策の適切な運営に資することを目的として、日銀が、四半期ごとに行う統計調査です。所定の調査表による郵送およびオンライン調査で、今回の調査対象企業は、全国の10,799社(大企業2,118社、中堅企業3,011社、中小企業5,670社)。回答率は、全体で99.4%でした。
今回の調査では、大企業・製造業の業況判断指数が2四半期連続で改善するなど、景気の回復基調が続いていることを示しました。しかし、人手不足の深刻化しているようで、そこに着目した報道がいくつか見られました。雇用判断指数で労働力の「不足」を訴える企業が「過剰」とする企業を大きく上回り、25年ぶりの水準ということです。企業における人手不足感はバブル末期なみの印象ということですね。これにより、先行き景況感が悪化しているとのことです。
麻生財務大臣は、今月4日の閣議後の会見で、人手不足を背景とした先行き景況感の悪化が示されたことに関し、「労働不足には外国人労働やロボット、人工知能(AI)や規制緩和などを総動員してやっていかなければならない」といったことを述べたということです。
大手企業では、魅力ある人事制度や、多様な働き方の仕組みなどを導入して、優秀な人材を確保しようという動きも見られます。企業によってできることは異なるでしょうが、各企業において、マンパワーの確保を考えなければならない時代といえそうです。
日銀、短観(2017年3月)については、こちらをご覧ください(要旨のみ紹介。最後の方に雇用判断指数〔DI〕があります)。
http://www.boj.or.jp/statistics/tk/yoshi/tk1703.htm/